
不動産投資は、どの程度の保有期間を前提とするかによって、戦略が大きく変わり、それぞれの適した不動産も異なります。
不動産投資の中でもワンルームマンション投資は、長期保有を前提として戦略を立てた方がうまくいきやすいといわれています。
本記事では、長期的な視点でワンルームマンションを考えるべき理由と、注意点、短期的な視点でのワンルームマンション投資をおすすめしない理由について解説します。ワンルームマンション投資の投資戦略で迷われている方はぜひ参考にしてください。
長期的な視点と短期的な視点で行う不動産投資の違いとは?

まず、長期保有を前提とした不動産投資と短期保有を前提とした不動産投資でどのような違いがあるのか確認しておきましょう。
この違いを踏まえた物件選びができるかどうかで、不動産投資の成功確率は大幅に変わってくるため、不動産投資をする人なら必ず理解しておきたいポイントです。
長期保有を前提とした不動産投資
長期保有を前提とした不動産投資とは、インカムゲインを狙う投資、つまり長期的に家賃収入を得ることで資産増大を狙う投資です。長期保有を前提とした不動産投資には、数ある不動産の中でも耐用年数の長いRC造もしくはSRC造のマンションが向いているといわれています。
おおよそ20~25年以上の長期にわたって物件を保有することを想定し、投資用マンションローンなど金融機関からの借り入れを利用し、入居者が支払う賃料収入で、ローンの返済を行うのが一般的です。完済後は、管理費や修繕積立金など不動産の維持や管理にかかる費用は発生するものの、家賃収入のほとんどを受け取ることができるため、年金の不足分などに充当することができます。
相続対策として行う不動産投資もこちらに分類されます。
短期保有を前提とした不動産投資
短期保有を前提とした不動産投資とは、キャピタルゲインを狙う投資、つまり安く買ったものを高く売ることで資産増大を狙う投資です。購入後、数ヶ月~数年程度で売却するケースが多く、収入金額から取得費や譲渡費用を差し引いた金額が大まかな利益となります。
稀に所得税の節税目的で、主に木造不動産を短期保有することを前提とした不動産投資が検討されるケースもあるようですが、こちらはあまり有効な手段ではありません。その理由については過去記事で詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
https://www.ge-creation.co.jp/column/column-5640/
長期的な視点でワンルームマンション投資を考えるメリット

長期的な視点でワンルームマンション投資を考えるメリットとして、『長期的に安定した家賃収入』『リスクの軽減』『税負担の軽減』などが期待できることが挙げられます。
長期的に安定した家賃収入が期待できる
RC造のマンションは法定耐用年数が47年と長く、近年建設されたマンションであれば100年近く利用できるとされるものも多いため、長期的に賃料収入を得るのに向いています。また、そのような物件は、金融機関からの借り入れも比較的容易なため、手元に大きな資金を持っていなくても、投資用不動産ローンなどを利用して投資を始めることが可能です。
ただし、高い安定性を求めるのであれば、希少性や需要が高い物件を選ぶ必要性があります。希少性や需要が高い物件の特徴については、後述しますので、物件選びの際の参考にしてください。
リスクを軽減できる
不動産投資の主なリスクの1つに資産価値の下落リスク、つまり買ったときよりも売却するときの価格が下がってしまうリスクがあります。ただし、このリスクは、長期的に家賃収入を得ることで、軽減することができます。
例えば、2,000万円で購入した中古ワンルームマンションから得られる年間家賃収入が、管理や修繕にかかる費用負担や空室の発生を加味して、年60万円だったと仮定しましょう。30年保有すれば、総額1,800万円の家賃収入が得られる計算です。この場合、30年後の相場が購入時の半額の1,000万円だったとしても、収支はプラスになります。
このように、長期的に得られる家賃収入によってリスクを軽減できるため、短期的に大きな値上がり益を狙う投資よりも再現性が高く、難易度・リスクが低いのがメリットです。
売却する場合の税負担が減る
不動産投資で発生する譲渡所得税は、譲渡年の1月1日時点で保有期間が5年以下かどうかで税率が変わります。譲渡年の1月1日時点で保有期間が5年以下の場合、39%(所得税30%、住民税9%)の税率が適用されるのに対して、長期譲渡に該当すれば、20%(所得税15%、住民税5%)と約半分に抑えられます。
このように、5年以上保有すると、税負担が約半分になる点も、長期保有する大きなメリットといえるでしょう。
長期的な視点でワンルームマンション投資を考える場合の注意点と対策
メリットの多い長期的な視点でのワンルームマンション投資ですが、注意が必要な点もあります。注意点と対策を見ていきましょう。
長期的なリスクへの対策が必須
火災や水害などの自然災害に遭遇するリスクは、保有期間に比例して起こる可能性は必然的に高くなりますリスクの1つです。また、経年劣化や入退去、入居者の故意・過失による事故などによって突発的な修繕が発生する可能性も、長期的に不動産を保有するほど高くなります。
これらのリスクは、保険などである程度カバーできるものがほとんどです。リスクを正しく理解し、有効な対応策を講じておくことが大切です。
リスクを軽減する方法については過去記事で解説していますので、併せてご参照ください。
https://www.ge-creation.co.jp/column/column-5988/
https://www.ge-creation.co.jp/column/column-4237/
物件選びが要
長期的目線でワンルームマンション投資を考える場合には、20年、30年後でも需要が高いものを選べるかが要となります。割安だからと、需要が大幅に減る地域の物件を購入してしまうと、将来的に空室が長期化したり、大幅に家賃や不動産の価値が下がったりと、失敗する可能性が非常に高くなってしまいます。これから購入するなら、唯一人口が増加しており、今後もほとんど人口が減らないと予想されている都心の中古ワンルームマンションがおすすめです。
https://www.ge-creation.co.jp/column/column-6584/
短期目線のワンルームマンション投資をおすすめしない理由

最後に、短期視点のワンルームマンション投資を避けるべき理由について解説します。
キャピタルゲイン狙いの不動産投資は副業に向かないから
不動産を短期売買するメリットとして、短期的に大きな利益を得られる可能性があることや、すぐに売却して現金化することができれば次の投資に回せることなどが挙げられます。
非常に魅力的に思えますが、キャピタルゲイン狙いの不動産投資はとても難易度が高い投資の1つです。不動産の売買によって大きな利益を狙う、不動産業者や専業の不動産投資家など不動産投資のプロの主戦場で、高い利益が見込める物件ほどライバルが多くなります。プロと同等の資金力や不動産の知識、情報収集能力、スピード感がなければ、短期的な視点の不動産投資に向く物件を買うことすらできないでしょう。金融機関を使わずに購入できるだけの資金力、物件情報が出たらその日のうちに物件を確認し、即時、購入の申し込みをするくらいのスピード感、格安物件や今後の相場を左右する開発計画などの情報を人よりも早く得られるだけの情報収集能力などが必要になるためです。
超人気物件を購入できなくても、短期目線での不動産投資で利益を得られるケースもありますが、そのほとんどにおいて、成功している不動産投資家は、リフォームなどを行って資産価値を上げる工夫をしたり、不動産業者とのつながりを作って独自の仕入れルートを確保したりと、時間と手間をかけています。
このように、キャピタルゲイン狙いの不動産投資は長期保有の場合に比べてハイリスクで難易度はかなり高く、時間と手間をかけなければ成り立たない投資といえます。
不動産投資の初心者が片手間で行って成功できるようなものではないため、副業として取り組むのは避けた方がよいでしょう。
税金と手数料の負担が重くなるから
先述のとおり、譲渡年の1月1日時点で保有期間が5年以下であれば、利益に対して39%と、長期譲渡(20%)に該当する場合の2倍近い税金がかかります。
さらに、売買するたびに、仲介手数料や登記費用なども発生します。購入から売却までにかかる諸費用を合計すると、少なく見積もっても売買価格の10~15%程度になるでしょう。
さらに、もし売買で大きな損を出してしまった場合には、不動産の譲渡所得は申告分離課税のため、家賃収入などが該当する『不動産所得』のように損益通算が認められておらず、高いリスクを伴います。
このように、短期目線での不動産投資では、利益の半分以上が税金と手数料に消えることがほとんどです。それらの費用負担を加味しても、大きな利益が出る不動産を見つけるのは非常に難易度が高いため、安易に手を出すと失敗する可能性が高くなるでしょう。
投資の目的に合わない可能性が高いから
ワンルームマンション投資は、老後の資産収入や相続対策などを目的として始めるケースが一般的です。
老後の年金代わりとなる賃料収入を目的とするなら、長期保有が原則となり、相続対策を目的とする場合も亡くなるまで保有するのが原則となるため、短期的な視点の不動産投資では目的と合致しません。
また、前述のとおり、キャピタルゲイン狙いの不動産投資には時間と手間がかかるため、副業として不動産投資を行いたい人に向きません。
短期的な所得税の節税に向く不動産で、キャピタルゲインが狙えるものも滅多にありません。
このように、戦略と目的が一致しないと、投資に失敗する確率が非常に高くなるため、投資を始める前に、必ず一致していることを確認するようにしましょう。
宅建業法に違反する恐れがあるから
ワンルームマンションに限らず、短期間で不動産を売り買いするためには、原則、宅建業の免許(宅地建物取引業を営むための許可)が必要となります。
転勤や婚姻などの事情で買ったばかりのマイホームを短期間で売却するなど投資以外の理由で売却するようなケースもゼロではないため、1~2戸を短期間で売買したからといってすぐに宅建業法違反となるわけではありませんが、免許なしで売り買いを繰り返すと宅建業法違反となります。摘発事例も複数あるので避けなければいけません。
摘発されるリスクを回避するために、宅建業免許を取得するという考えもありますが、宅地建物取引業を始めるためには、法人を用意し、一定数以上の専任の宅地建物取引士を確保し、宅建業の免許を取得した上で、供託金を納付する必要があるなど、数百万円単位の費用と手間が必要となります。
本業として、不動産の売買をやっていこうという方であれば検討する価値があるかもしれませんが、小規模で不動産投資をしたい人には向いていないでしょう。
ワンルームマンション投資は長期的な視点で考えよう

本記事で解説した通り、ワンルームマンション投資は、老後の資産収入や相続対策などを目的として、長期的な視点で行うのに向いている投資です。
ジーイークリエーションでは、今回解説した不動産投資以外にも、生命保険の見直し、NISAやiDeCo、年金対策、相続税対策など、幅広い相談を受け付けております。個別相談をご希望の方は下記のフォームよりお申込みください。
https://www.ge-creation.co.jp/soudan_form/
不動産投資について学びたいという方には、随時開催しているジーイークリエーションのセミナーがおすすめです。初心者向けのものや生のオーナー様の声が聴けるものなど、多様なセミナーを開催しておりますので、お気軽にご参加ください。